| 小説喫茶のマスターこと聖音亞零がお送りするショートからロングまで。純愛から失恋まで。ん?純愛なんか俺、書いてたか? 喫茶店だけど珈琲は持参で。是非、のんびりとお楽しみください♪ コメントとか残して行ってもらえると嬉しい今日この頃 | ||
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小説喫茶〜波と永遠の記憶〜
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| HOME | 2008.01.25 Fri優しさの結末〜6〜
優しさの結末〜6〜
〜翔Side〜 結局、愛美は救急車で運ばれて、そのまま凪市総合病院に入院する羽目になった HRの後、みぃ様がこっそり部屋番号まで教えてくれた 部屋番号のメモ片手に教室を出る直前。教室の一番後ろに伊志を見つける 「伊志ぃ! 今日は悪かった。サンキューな!」 「あ。ああ。気にすんな。お大事に!」 「伝えとく!」 伊志に片手を挙げて教室を飛び出した 凪市総合病院は街のメインストリート沿いに構えているレンガ造りの建物 学校からは坂を下りて結構歩く事になる 病院の案内板で愛美の部屋の大体の位置を把握してエレベータに乗る 3階の11号室 ナースステーションを通り過ぎて幾つかに分かれる廊下を歩く 何故か病院という所は居心地悪く、早足になってしまうのは俺だけだろうか 「311……あった。」 クリーム色の扉を軽くノックして、開く 白と、扉と同じクリーム色で形成された2人部屋 手前のベッドは空白で、窓際のベッドに、愛美はいた 「よ。階段からすっこけて骨折った17歳女子高生」 「入院中の、仮にも彼女に対する一言目がそんなんなの…?」 水色のパジャマを着せられた愛美は不服そうに頬を膨らませた。 「骨折しちゃ、それ以上酷くならないだろ? まだ、痛む?」 窓際に置かれた丸椅子に腰掛ける 「んーん…痛くはない…」 「そっか」 サラサラとした髪を、そっと、撫でてやる 「ん…」 心地よさそうに目を閉じる愛美の顔に、俺の彼女なのに、ドキリとしながら、髪を撫でていた 日が、徐々に沈んでいく 夕方の涼しげな風を感じながら……どれくらいの時間だろう。ずっと、そのままで居た 「ねぇ…しょーくん……」 「なに? 可愛い彼女さん」 「それはそれで恥ずかしい…じゃなくて……あのね、聞いてほしいの」 愛美の左手が、俺の手に触れる 「私のね……その、入院なんだけど…2ヶ月はかかるって…」 「へぇ。骨折ってそんなにかかるんだ」 「私、片側の足と腕だったから……ごめんね…」 申し訳無さそうに、愛美が目に涙を浮かべる 「まて。なんで謝る?」 「だって! 夏休み全部潰れちゃう! 海にも行けないし。それどころか課外の時、一緒にご飯食べたりも出来ないし…」 涙目のまま俺に食ってかかる けが人のくせに上体を起こしてくるもんだから危なっかしくて仕方ない 「…いいんじゃない。ひと夏くらいそーいうのがあっても。別にひと夏会えないじゃないんだろ」 愛美の身体を抱き寄せながら呟く 「コレから何回も、何十回もある夏の1回くらい。潰したって俺はいいと思うよ」 「しょぉくん……」 「だーっ! だから泣くなぁっ!」 女の涙。特に、愛美の涙に弱い。関係なくても、凄い罪悪感を持ってしまう 「だって、しょーくんが悲しんだり怒ったりするかな…とか思ってたのに…」 「そりゃ、少しは残念だけどさ…どーしようも無いじゃんか」 「ぅぁう……しょーくんは…優しすぎるよぉ…」 胸の中でのグズグズが酷くなるのを聞きながら、俺はただそっと、愛美の身体を抱いていた―――
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